在留資格認定証明書(COE)の有効期限が切れたら?再申請は必要?
はじめに
海外に住む外国人を採用する際、「在留資格認定証明書(Certificate of Eligibility:COE)」を取得するケースは少なくありません。
しかし、 「入社日が延期になった」 「母国の事情で急に来日できなくなった」 「現地の日本大使館でのビザ取得が間に合わなかった」 などの理由から、予定どおりに来日できないケースが実務では度々発生します。
このような場合、企業の採用担当者様からよくいただくのが、 「COEの有効期限が切れてしまったら、また最初からやり直し(再申請)ですか?」 というご相談です。
今回は、在留資格認定証明書(COE)の正しい有効期間と、万が一期限が切れてしまった場合の具体的な対応について分かりやすく解説します。
在留資格認定証明書(COE)とは?
まず簡単におさらいしておくと、在留資格認定証明書(COE)は、日本へ中長期間滞在する予定の外国人について、「日本への上陸条件(在留資格の該当性など)を満たしていること」を出入国在留管理庁があらかじめ証明した書類です。
海外から外国人を呼び寄せる際は、まず日本国内でこのCOEを取得し、それを現地の本人に郵送した上で、本人が現地の日本大使館や領事館に持参して査証(ビザ)を発給してもらう、というのが一般的な流れになります。
注意したいのは、「COEがあるからといって、100%入国が保証されるわけではない」という点です。あくまで、その後のビザ申請や空港での上陸審査をスムーズに進めるための重要な「お墨付き」という位置づけになります。
COEの有効期間は?知っておくべき「落とし穴」
出入国在留管理庁の規定により、在留資格認定証明書(COE)の有効期間は「交付日から3か月」と定められています。
ここで多くの方が勘違いしやすいポイントがあります。それは、「3か月以内に現地の国でビザの申請をすればセーフ」というわけではない、という点です。
正確には、「交付日から3か月以内に、ビザを取得した上で、日本の空港等で上陸許可(実際の入国手続き)を受けるまでを完了させなければならない」のが法的なルールです。
ビザの審査期間や、現地の渡航準備にかかる日数を逆算すると、3か月という期間は決して長いものではありません。COEが手元に届いたら、すぐに現地での手続きを進めてもらうよう本人に促すことが極めて重要です。
有効期限が切れたらどうなる?
もし渡航が遅れ、COEの交付から3か月が経過してしまった場合、残念ながらその証明書を使って日本に入国することはできなくなります。
したがって、基本的には改めて「在留資格認定証明書交付申請(再申請)」をやり直す必要があります。
過去のコロナ禍においては、特例として有効期限が「6か月」に延長されるような「みなし有効措置」が取られていましたが、現在はこうした特例は完全に終了しており、原則どおりの「3か月」運用に戻っています。「以前は延長できたから大丈夫だろう」と油断していると、スケジュールが大きく狂う原因になるため注意してください。
万が一の「再申請」で注意したいポイント
「また一からすべての書類を集め直さなければいけないのか……」と頭を抱えてしまう担当者様も多いかと思います。
実務上、過去に一度交付されている実績がある案件の再申請では、事情や経過期間によって、提出書類の扱いにおいて一定の配慮がなされるケースもあります。しかし、これらはあくまで個々の事由や審査官の判断によるため、一概に「書類が省略できる」と言い切れるものではありません。
企業の勝手な判断で「前回と同じだから書類を減らして出そう」と手続きを進めてしまうと、不交付や審査の大幅な遅れに繋がるリスクがあります。期限が切れてしまった場合は、まずは状況を整理し、入国管理局の窓口や専門家に確認しながら慎重に手続を進めるのが安全です。
採用企業の人事担当者が備えておくべき管理方法
外国人の採用実務では、COEが無事に交付された段階でホッと一安心してしまうケースが目立ちます。しかし、本当の勝負はそこからです。
スケジュール管理のコツとして、以下の4つの日付を必ずセットでタイムラインに落とし込んでおきましょう。
- COEの交付日(ここから3か月のカウントダウンが始まります)
- 現地での査証(ビザ)申請予定日
- 本人の入国予定日(遅くとも交付から2ヶ月半以内が目安)
- 社内での入社予定日
海外情勢や本人の家庭の事情、あるいは飛行機の予約状況などによって、来日スケジュールはいくらでも前後します。入社日を変更したからといって、COEの有効期限が自動的に伸びるわけではありません。「予定が変わりそうだな」と察知した段階で、早めに対応を検討することがトラブルを防ぐ最大の防御策です。
まとめ
在留資格認定証明書(COE)の有効期間は、原則として交付日から3か月です。この期間内に日本の土を踏まなければ失効してしまい、原則として再申請が必要になります。
外国人採用を円滑に進めるためには、自社の入社スケジュールだけでなく、入管法で定められた「書類の期限」を正しく把握し、逆算して動く視点が欠かせません。
当事務所では、在留資格認定証明書の交付申請はもちろん、万が一のスケジュール変更に伴う手続のご相談や再申請への対応など、外国人採用にまつわる法的手続をトータルでサポートしております。
「来日が遅れそうで期限が心配」「切れてしまったがどう進めるべきか迷っている」といった場合も、どうぞお気軽にご相談ください。貴社の状況に合わせた最適な解決策をご提案いたします。
※本記事は掲載日時点の法令・制度および公表情報に基づいて作成しています。法改正や運用変更等により内容が変更される場合があります。具体的な手続については、最新の法令・出入国在留管理庁の公表情報をご確認いただくか、当事務所等の専門家へご相談ください。


